2006年 09月 18日
議題:「明日への医療を目指すブログ病院では、入院の条件として臨床研究への参加を義務付けています」ということになったとしたら、どうお考えになりますか?
臨床研究を行なう際、IRB(院内の倫理委員会)の承認が必要など、従来は「被験者の権利を擁護する」ことに重点をおいた議論がなされていました。 しかし、最近になって、特許などでイノベーション国家となったアメリカでは、むしろ「いかに臨床研究へのバリヤーを減らして被験者のリクルートをし易くするか」といった議論が進んでいます。 その一例として、1996年には、ERや心臓カテーテルなどの緊急治療の場合、インフォームド・コンセントなしで臨床研究が出来るように法律が変わりました。更に新しい意見として、ハーバード大でMD/JDを獲得した医療倫理の教授、オーレンリッカーは、「治療方法が複数あるばあいの治療をする際は、臨床研究への参加を患者に義務付けることに全く問題はない」と言っています。 例えば、患者Aさんがブログ病院に高血圧の治療に来たとします。高血圧の薬にはC,D,E,Fと4種類あり、どれがよいか何もスタディーがなく、従来は医者の経験と感で処方していたとします。ブログ病院では、C,D,E,Fの比較トライアルを行なっており、これにAさんが参加しないとAさんを治療しません。Aさんが参加拒否した場合は、他の病院へ行ってもらいます。 この場合、他の病院へいっても治療は同じなので、Aさんへの医療の質は落ちません。また、参加を義務付けることによって、医者による被験者の取捨選択がなくなるので、バイアスも減ります。クオリティーの高い研究データがでます。当然、インフォームド・コンセントは従来通り行なうので、Aさんの権利を侵害するわけではありません。 メリットは、被験者リクルートの拡大と、比較トライアルの増加による、医者の感による医療の削減、それによる経済効果、云々です。 実際、大学病院では、既に治療の付け合せとして、研修医や医学生による診察・治療を半ば義務付けています。臨床研究も同じことです。 さて、皆さんはどうお考えでしょう? ーか
by blogbyoin
| 2006-09-18 03:56
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