2006年 11月 15日
2006/10/22
以前、臨床カテゴリで、British Medical Journalに掲載された薬剤溶出ステント(注参照)に関するスタディの速報を紹介しました。それ以前にも、薬剤溶出ステントは通常ステントに比べて、致死的な急性血栓閉塞が多いという報告があり、加えて例のヨーロッパからの報告によって、アメリカでは最近、薬剤溶出ステントの売り上げが落ちているようです。New York Timesからの引用です。 Doctors Rethink Widespread Use of Heart Stents アメリカのステント売り上げは年間60億ドルほどで、かつ一つの手技に対して数千ドルの手技料が発生する、一大ビジネスです。ステントが多くの命を救っていることも確かですが、一方で適用を超えた濫用(overuse)があるのも事実のようです。 急性血栓閉塞が起こるのは、500人に1人未満ですが、アメリカではかなり多くの薬剤溶出ステントが使用されているため、少なくとも年間2150人がそれにより死亡しているそうです。(本文より引用) FDA(食品や薬品を管轄するアメリカの役所)は、新しい「ステント安全ガイドライン」を出すべきかについて、12月初旬に聴聞会を開くことを発表し、新規参入を予定している企業もその動きに注目しているようです。 ステントのoveruseがありそうな日本でも何か動きはあるのでしょうか? た (注)ステントとは、狭くなった血管を広げて固定する金属の筒。薬剤溶出ステントは、血管が再び狭くなるのを防ぐ薬を放出するステント。
by blogbyoin
| 2006-11-15 03:40
| 薬剤・医療機器
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